銀座カラー名作に学ぼう 今週の、あのセリフ

恋に傷つくのは自信がないから?人生の先輩からの名言

 

「体が重いと足跡も深くなる。恋心も強いと傷が深い」
(映画『ニューシネマ・パラダイス』より)

 

人生の先輩の言葉は金言!?

 

名声と栄誉を得た映画監督・サルヴァトーレはある日、故郷シチリアの母親から「アルフレードが亡くなった」というメッセージを受け取ります。

 

アルフレードとは、シチリア・ジャンカルド村にあった映画館『パラダイス座』の初老の映写技師。

 

トト(サルヴァトーレの幼少時のあだな)は、立ち入り禁止だった映写室に潜り込んでは、魔術師のように映写機を操るアルフレードと、彼の手によって映し出される映画にどんどん魅了されていきます。

 

第二次世界大戦後という、戦争の傷跡が生々しく残る時代。だからこそ映画は村民の心の拠りどころでした。ところが当時の映画には検閲が行われていて、教会の司祭の指示により、あらゆる映画のキスシーンがカットされてしまいます。編集するのは映写技師のアルフレードの役目。トトは、カットして捨てられたキスシーンのフィルムを、映写室に忍び込んではこっそり集めます。

 

祖父と孫ほどの年の差があるこのふたり。「映画」「映画館」を軸にして、まるで親友のように絆を深めていきます。のちに立派な青年に成長したサルヴァトーレはある女性に恋をしますが、なかなか思いどおりにはいかず、傷心の日々を送ることに……。そんなサルヴァトーレに、人生の先輩・アルフレードが言った言葉がこれ。

 

「体が重いと足跡も深くなる。恋心も強いと傷が深い」

 

アルフレードが若き青年に伝えたかったのは、「傷を深めたくないのなら、恋をするな」ということではありません。「傷が深くなることを覚悟して恋をせよ」と言いたかったのだと思います。さらには、傷つくことを恐れているようでは、恋をする資格はないとも伝えたかったのではないでしょうか。

 

 

必要なのは心の筋力。それさえあれば、また恋ができる!

 

もうひとつ「恋にうつつを抜かすのではなく、自分自身を高めることの大切さ」も、この言葉に込められているような気がします。アルフレードはサルヴァトーレに「自分のすることを愛せ」とも語りかけます。恋に傷つくのは「自分というたしかな軸」をもっていないから。だからこそ、アルフレードは「恋する女性に見合う人物になるように」と、サルヴァトーレにこの街を出ていくことを促すのです。

 

人生の先輩たちは、何度も恋をし、甘やかなものに溺れ、そして深い傷を追い、過ぎ行く時間に癒やされ、そしてまた恋をする……という経験を何度も繰り返してきたはず。自分だけの熱い思いだけではどうにもならないことを知っているからこそ、若者にはその覚悟を問いたくなるのだと思います。

 

名作として名高いこの映画。郷愁をそそるエンニオ・モリコーネの音楽とあいまって、ラストは抑えきれないほど熱いものがせりあがってきますので、ハンカチのご用意をお忘れなく!

 

 

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